はじめに
脳卒中後の歩行リハビリについて調べると、ロボットを活用したリハビリテーションの知見を目にすることが増えています。
ロボット支援歩行トレーニング(RAGT)は、歩行の動作を機械的に補助し、反復的なトレーニングを可能します。
一方で、従来のセラピストによる手動支援の歩行トレーニング(T-LT)も広く行われており、どちらの方法がより効果的なのかが気になるところです。
本記事では、ロボット支援とセラピスト支援の歩行訓練の有効性を比較した論文を紹介し、その結果を考察します。
研究の概要
今回紹介する論文は、「Enhanced Gait-Related Improvements After Therapist- Versus Robotic-Assisted Locomotor Training in Subjects With Chronic Stroke: A Randomized Controlled Study」 という研究で、生活期脳卒中患者におけるロボット支援とセラピスト支援の歩行リハビリの効果を比較したものです。
研究の目的
生活期脳卒中患者に対して、ロボット支援(RAGT)とセラピスト支援(T-LT)の歩行トレーニングの効果を検証し、歩行能力の改善度を比較することを目的としています。
研究の方法
対象者:生活期脳卒中患者 48 名(発症から6か月以上経過し、自立歩行が可能な方)
- 介入方法
ロボット支援グループ(RAGT):歩行補助ロボットを用いて、対称的な歩行動作を補助
セラピスト支援グループ(T-LT):セラピストが必要に応じて手動で補助どちらのグループも 1回30分×12回 のトレーニングを実施
- 評価指標
歩行速度
歩行対称性(片脚支持時間)
生活の質(QOL)
研究の結果
- 歩行速度の改善
セラピスト支援グループの方が歩行速度の向上が大きかった
特に軽度の歩行障害者で効果が顕著 - 歩行対称性(片脚支持時間)の改善
セラピスト支援グループで有意な改善
ロボット支援では改善がほぼ見られなかった - 生活の質(QOL)
重度の歩行障害者では、セラピスト支援グループのみがQOLの向上を報告
研究の考察
この研究では、セラピスト支援の歩行リハビリの方が、ロボット支援よりも歩行速度・対称性・QOL向上に有効である ことが示されました。
ロボット支援の課題
ロボットは対称的な歩行パターンを提供するが、患者自身の能動的な歩行学習を妨げる可能性がある
「受動的な歩行」になりやすく、長期的な適応が得られにくい
「誤差の検出」が少なく、リアルな歩行環境に適応しにくい
セラピスト支援の利点
「必要な範囲のみの補助」 が可能で、患者が自力で歩行する意識を持ちやすい
リアルタイムでのフィードバック により、歩行パターンの修正が容易
患者ごとの特性に合わせた調整が可能
この記事を読んだ筆者の考察
私自身、生活期のリハビリをする中で、当事者の能動的な動きというものをとても大事にしています。
この研究でも示されているように、ロボットでは受動的な動作になってしまいます。
軽度~重度の麻痺を呈した当事者に対して、どんな歩行訓練が一番適切なのか、歩行訓練を通して何を得たいのか を常に考えながら、当事者の動きを引き出せるようにリハビリを行っています。
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