脳卒中は日本人の主要な死因の一つであり、予防のためには生活習慣の改善が不可欠です。特に、日々の歩行量が脳卒中リスクに影響を与えることが最新の研究で明らかになりました。
脳卒中予防に必要な歩数とは?
2024年にBMJ Health & Care Informaticsに掲載された最新の研究では、1日の歩数と死亡率・心血管疾患(CVD)リスクの関係を分析しました。この研究では、17の大規模コホート研究(対象者226,889人)のデータをもとに、歩数が健康に及ぼす影響を調査しています。
最低限の歩数でも脳卒中リスクが低下!
- 約2,600歩(2,517歩/日) でも全死因死亡率が8%低下。
約2,800歩(2,735歩/日) で心血管疾患(CVD)発症リスクが11%低下。 - つまり、たとえ1日2,500歩程度しか歩かなくても、脳卒中を含む健康リスクを減らす効果があることが示されました。
最適な歩数は7,000~9,000歩!
さらに研究では、
全死因死亡率を最も低下させる歩数 → 8,763歩/日
心血管疾患リスクを最も低下させる歩数 → 7,126歩/日
という結果が得られました。
これにより、脳卒中予防のために特に7,000~9,000歩程度を目標にするとよいことがわかりました。
10,000歩以上は必要?
では、10,000歩以上歩くことでさらに健康効果が増すのでしょうか?
研究結果によると、
歩数が増えるほど健康リスクは低下するものの、10,000歩以上になるとその効果は緩やかになる(非線形な関係)。
つまり、10,000歩を超えても健康に良い影響はありますが、7,000~9,000歩程度で十分な効果が得られることが分かりました。
日本の死亡率と歩行量の関係
日本の厚生労働省によると、日本の年間死亡率は約1,000人あたり約11人(2023年)と報告されています。
脳卒中や心血管疾患は日本人の主要な死因の一つであり、歩行習慣を改善することが健康寿命の延伸につながるとされています。
特に、高齢者のフレイル(虚弱)予防には適度な運動が不可欠であり、今回の研究が示す7,000~9,000歩程度の歩行が、健康長寿に寄与する可能性が高いと考えられます。
まとめ:歩くことで脳卒中予防!
今回の研究から、最低でも2,500歩以上歩くことで健康リスクが低下する。
7,000~9,000歩を目標にすると最大の健康効果が得られる。
10,000歩以上歩いても健康効果は続くが、増加率は緩やかに。
「1日10,000歩を歩かなければ健康に良くない」というのは誤解であり、まずは自分に合った歩数で少しずつ歩く習慣をつけることが重要です。
忙しい日でも2,500歩を意識して歩くだけで健康に良い影響があるため、まずはできる範囲で歩くことから始めてみてはいかがでしょうか?
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脳卒中予防には、日々の歩行だけでなく、個々の体力や生活習慣に合わせた適切な運動が重要です。
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